皆さんは X 環境におけるウィンドウマネージャとして何をお使いでしょ うか? Window Maker? Enlightenment? あるいは KDE?
昨今非常に人気のある、GNOME を使っていると答える方も非常に多い でしょう。本稿ではこのGNOMEデスクトップ環境において最近ほぼ標準のウィ ンドウマネージャとなっている sawfish[1]のすばらしさについて簡単に紹介した いと思います。
X 環境では MacOS や Windows* などと違って、ウィンドウの制御や 装飾はウィンドウマネージャという単体のプログラムが行ないます。そして X の場合はウィンドウマネージャを切り替えるとでデスクトップの見た目や ウィンドウの制御(アプリケーションの終了、ウィンドウの移動、リサイズ など)、それらの振舞いのカスタマイズのやりかたなどがまったく異なった りします。そのためウィンドウマネージャは X のデスクトップの使いごこ ちや外観を決定する、非常に重要な要素の一つとなっています。
使う人の好みや考え方の違いからウィンドウマネージャには twm や wm2 のように非常にシンプルなものから Window Maker のように機能と動作 の軽快さを備えたもの、Enlightenment のように非常に見た目や機能が派手 なものまでいろいろ開発され、使われています[2]。そしてその中で GNOME と 一緒に使うウィンドウマネージャ[3]として最近非常に 人気があり、ほぼ GNOME 標準のウィンドウマネージャとして使われている のが本稿で紹介する sawfish です。
[1] | sawfish は前は `sawmill' という名前でした。お使いのディストリビューションによっては まだその名前のプログラムが使われているかもしれません。sawmill から sawfish への名前変更の理由の詳細については http://inanna.starseed.com/sawmill/2000/Apr/0216.html( 英文)で読むことができます(できましたが確認しようとしたところアクセス できませんでした)が、他に既に別の `sawmill' という商用のソフトウェア を販売していた会社があり、sawmill という名前を使うことに問題が生じた からのようです。 |
[2] | X 上で動く さまざまなウィンドウマネージャについてはWindow Manager for Xなど のサイトで参照できます。 |
[3] | 後述しますが、もちろん sawfish 単体で動かすことも可能です |