最近のディストリビューションでは標準で sawfish がインストール されていたりすることもめずらしくないとは思います。しかし、そうではな い方や sawmill が入っていて sawfish にアップグレードしたいという方の ために簡単に sawfish のインストールについて説明します。
まず sawfish は sawfish 本体と rep 実行環境(librep)、さらに rep から gtk+ の機能を利用する(sawfish のカスタマイズツール、メニュー などは gtk+ を利用しています)ための rep-gtk が必ず必要となりますので 注意して下さい。また GNOME 環境で利用するために sawfish と分離された sawfish-gnome パッケージが必要な場合もあります。
筆者は主に Debian GNU/Linux をメイン環境として利用している のでまずこちらから説明します。
先頃リリースされたばかりの Potato では sawmill が含まれてい るようですがこれは今となっては少し古くなってしまっています。
さいわい Debian の強力なパッケージ管理システムのおかげで Potato 環境へWoody の パッケージをインストールすることも可能だと 期待でき、apt-line に woody への参照を追加し、apt-get でインストー ルすることができるのではないか、と思います[1]。
そこでここではさらにすすんで Helixcode 社の開発版パッケージ をインストールする方法について簡単に説明します。まず apt-line で すが次のような行を/etc/apt/source.list に追加します。
deb http://spidermonkey.helixcode.com/distributions/debian unstable main deb-src http://spidermonkey.helixcode.com/distributions/debian unstable main |
そして root になって次のようにして sawfish のパッケージをイ ンストールします。sawfish-themes はテーマが多数含まれたパッケージ ですが、かなり容量が大きく必須というわけではありません。また GNOME ユーザでなくsawfish を単体でインストールしたいという方は sawfish-gnome の部分を単に sawfish に換えるだけで結構です。
bash# apt-get install sawfish-gnome [sawfish-themes] |
Woody ユーザは単に上述の apt-line か Debian 標準の sawfish パッケージを同じようにしてインストールします。
以下の URL から RPM パッケージを入手することができます。
表 1-1. RPM パッケージ
RPM をダウンロードしたら、root になって次のようにしてパッ ケージをインストールします。
bash# rpm -Uvh *.rpm |
また Debian の場合と同様にHelixcode社のパッケージを 利用することもできます。パッケージはftp://ftp.helixcode.com/pub/helix/distributions/ から入手することも可能ですが Helix GNOME Installer というインス トーラも用意されています。こちらを利用するのも良いでしょう。この インストーラについてはhttp://www.helixcode.com/desktop/download.php3 を参照して下さい。
開発版の VineSeed には最新の sawfish 関連パッケージが用意 されています。VineSeed にアップデートして RedHat の場合と同様に インストールします。
ちょっとパッケージがあるかどうかはわかりませんのでソースか らインストールする方法について説明します。
なお sawfish は Imlib、gmp などのライブラリも必要としますの でそれらが既にインストールされているかどうかも確認しておいて下さ い。
RedHat の場合のところで述べた URL などから sawfish、librep、rep-gtk のソースアーカイブを入手します
ソースを適当なディレクトリで展開します
librep、rep-gtk、sawfish の順番でコンパイル、イ ンストールします
(librep での例:) bash$ cd librep-{ver} bash$ ./configure bash$ make bash$ su bash# make install |
もし必要なら sawfish-themer もコンパイル、インストールしま すが、GNOME の関連するライブラリが必要となり多少面倒かもしれませ ん。
ports が用意されているようですのでそれを手に入れてビルドす ることで簡単にsawfish をインストールできるはずです。
Plamo Linux の場合と同様にソースをコンパイルすることでイン ストールすることができるでしょう。
なお sawfish と Solaris の組合せでは若干問題がある場合もい くつか報告されています。sawfish 附属の FAQ によると
Imlib の imlib_config を起動し、Rendering ページ の MIT-SHM オプションを無効にする
./configure 時に --disable-xim オプションをつけて gtk+ を再コンパイルします
といった操作が必要なようです。
なお Helixcode 社の GNOME パッケージ for Solaris[2]というもの もどうやら存在するようです。それらについては以下の URL をたどると 参考になるかもしれません。
表 1-2. GNOME/sawfish for Solaris
Precompiled Window Manager Software for Solaris 8/X86 | http://myweb.clark.net/pub/bent/Solaris8-X86/WM/Sawfish/index-0.26.html |
Building GNOME on Solaris | http://www.clanger9.demon.co.uk/computer/gnome/ |
筆者は GNU/Linux しかさわったことがないので他の"本物の" Unix 上で sawfish が動作するかどうかはよくわかりません。しかし、 Solaris の場合を参考にしてコンパイル、インストールすればきちんと 動作するのではないかと思います。
[1] | ただし、 筆者の使っている環境はすべて Woody にしてしまった :-) ため実際に Potato で問題なくインストールできるかどうかは実証していません。で すのでこの方法で本当に安全にインストールできるか、ということは保 証できませんのであしからず。安全を期すならば、ソースパッケージを とってきてパッケージを作り直すというのが一番良いかもしれません。 これはHelixcode のものを使う場合についても同様です。 |
[2] | ただし用意されているのは Solaris 2.7 on UltraSparc 向けのものだけのようです。 |