GNOME の開発は、GNOME 2.30 で終わりというわけではありません。2.30 をリリースしたきっちり半年後には、次の GNOME 3.0 をリリースできるようにするために、もう既に作業が始まっています。
GNOME 3.0 では引き続き従来のデスクトップ・プラットフォームとアプリケーションを提供しますが、GNOME Shell の新しいユーザ・インターフェイスや、GNOME Activity Journal によるコンピュータ上のファイルの簡単な閲覧や検索も売りにするかもしれません。開発者向けには、GNOME 3.0 ではアクセシビリティでの新機能、新しいユーザ向けのヘルプやドキュメント、GNOME の初めてのウェブサービス「Tomboy Online」、といったものを追加します。開発者向けとしては、GNOME 2.30 では多くの古いライブラリを非推奨にします。
GNOME Shell プレビュー版は 2.30 で利用可能で、ダウンロードできます。GNOME Shell はコンポジット・デスクトップの力を使った革新的で新しいユーザ・インターフェイスが特徴的です。GNOME Shell によって新しいワークスペースを追加したり、頻繁に使うアプリケーションを起動したり、良く使うファイルや文書にアクセスするのが簡単になります。
GNOME Activity Journal はコンピュータのファイルを閲覧したり探し出したりするのが簡単になるツールです。ファイルの変更履歴を時間順に記録し、タグを付け、ファイルのグループ間を関連付けます。GNOME Activity Journal は、タグ付けやアイテムのブックマーク機能を持つ、デスクトップ上の活動履歴を記録する Zeitgeist エンジンのグラフィカル・ユーザ・インターフェイスです。
Tomboy Online も GNOME 3.0 に予定されています。ウェブ経由で Tomboy のメモを同期したりアクセスしたりできるようになります。
障がい者のために、GNOMEアクセリビリティチームではたくさんの機能追加を予定しています。新しいGNOME拡大鏡、新しいオンスクリーンキーボード Caribou、新しい設定画面のユーザーインターフェイスなどです。
ユーザーヘルプや文書に、GNOME初心者への助けとなるような新しいGNOMEユーザーガイドが登場します。GNOMEヘルプブラウザのYelpにブックマークや検索機能の改良といった機能追加があります。
GNOME ロードマップ には次のリリース・サイクルに対する開発計画の詳細がまとめられてます。GNOME 3.0 のリリース・スケジュール も今年始めには公開されており、GNOME wiki で入手できます。