もしあなたが,GNOME アプリケーションのメッセージの日
本語化を行おうとしているならば,できるだけ多くの人に
あなたが作業に取り掛かろうとしていることを知ってもらっ
た方が良いでしょう.これは,他の人との作業のバッティ
グを避けるために重要なことです.翻訳に取り掛かる前に, GNOME
のメーリングリストで聞いてみるとか,日本語Translation Team
にメールを投げてください.
多くの GNOME アプリケーションの開発の主体は,CVS ベー スとなっています.メッセージカタログについても,リリー ス済のソースから取得したメッセージを翻訳しても,次の リリース時には時代遅れになってしまいます.そのため, 翻訳作業も CVS から取得したメッセージカタログをベー スに進めるのが理想的です.
翻訳に取り掛かる際には,こちらのページ
より,最新の
CVS から取得した メッセージカタログを取得して翻訳作業を行ってください.
たとえば,sample というアプリケーションの pot
ファイルは,sample.pot という名前となっ
ています.また,すでに日本語メッセージカタログが存在
するときは,sample-ja.po というファイルがあ
るので,こちらを基にして翻訳作業を開始します.
翻訳作業と平行して,
を確認するためにも,実際にアプリケーションを実行して みて確認するのが理想的です.まず,アプリケーションを コンパイルして適当な場所にインストールします. ja.po を新たに作成したとき (つまり,pot ファイルから 最初のja.po を作成したとき) は, configure.in を修正して configure を再度実行 する必要があります.configure.in ファイルから, ALL_LINGUAS が含まれた行を探してください. ALL_LINGUAS にはインストールするメッセージ カタログの言語を指定しますが,ここに ja を追加した後 configure を実行します.
最初の方で説明したように,メッセージカタログを更新し た後に,アプリケーションを再コンパイルする必要はあり ません.エディタで編集するメッセージカタログはテキス ト形式になっていますが,これをバイナリ形式に変換して 適当なディレクトリにおいてやれば,次にアプリケーショ ンを起動したときには更新した内容が反映されているはず です.
メッセージカタログをバイナリ形式に変換するには, msgfmt コマンドを使います.テキスト形式か らバイナリ形式に変換することによって,高速にメッセー ジを検索し,翻訳したメッセージを表示することができる のです.たとえば,pharmacy というアプリケーションの 日本語メッセージカタログを msgfmt で変換す るときは:
% msgfmt -v -o pharmacy.mo pharmacy-ja.po 138 個の翻訳されたメッセージ、 10 個の未翻訳のメッセージ.
とします.pharmacy.mo がアプリケーション pharmacy の (バイナリ形式の)日本語メッセージです.これを,適当な ディレクトリに置き,アプリケーションを起動すると翻訳 されたメッセージが出力されます.このファイルは,
/usr/share/locale/{ja,ja_JP.eucJP}/LC_MESSAGES /usr/local/share/locale/{ja,ja_JP.eucJP}/LC_MESSAGES
などに置かれることが多いようです.これは各 OS (Linux だったら distribution) によって異なるので,各環境に 合わせたディレクトリにインストールします (ユーザがコ ンパイルしたアプリケーションに関するファイルなので, /usr/local 以下の適当なディレクトリに置くと よいでしょう).
日本語メッセージカタログの CVS へのコミットは,中井@日本GNOMEユーザー会 さん
が行っているので,翻訳したファイルをあなたの Web ペー
ジに置くなどして,Translation
Team
宛にメールを出してください.
メールを送るときは,わかりやすいサブジェクトとをつけ てください.本文には,ファイルの位置 (URL など) を正 確に書き,最初の翻訳の場合 (pot から ja.po を作った とき) は,そのことも一言書いておいてください.
先ずこちらのページ
より,最新の
ja.po ファイルを 取得してください.そして修正したあと,コミットします.
特に,fuzzy フラグが立っているメッセージは
正しくない場合が多いので,必ず確認してください.
tahara@gnome.gr.jp