Gnome は常にあらゆる範囲での翻訳に配慮してきました。しかし、実際に使う GUI のメニューをカバーしてはいても、ヘルプ文書の完全な翻訳が同じようにある、ということは稀でした。さて、Sun Microsystems の大量の、本当に大量の貢献のおかげで、GNOME2 は、今、全てのオンラインヘルプ文書の他言語への翻訳を備えています。Sun は、現在、中国語、簡字体中国語、スウェーデン語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語を追加している最中です。mlei による GNOME CVS への commit を見て、この作業がどれだけ進んだかを見てみて下さい!
Valgrind は、長い間、Linux のデバッグ界の期待の星でした。そして、今、 Jeffrey Stedfast のおかげで、GNOME 2 のフロントエンドまで登場したのです。Jeffrey は、迅速なハックを続け、作品は、急速に形を整えつつあります。私が思うに、フロントエンドについては、少くとも、Valgrind で見つかるようなバグは存在しないのは確実、と思って良いでしょう。(笑)
http://alleyoop.sourceforge.net/
http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-April/msg00064.html
GStreamer 開発者チームは、今週、API の安定版、0.6.x 系列の2回目の公式版発表を行いました。ここでは、バグ修正について長文にわたって書かれており、また、net-rhythmbox と gst-player/totem の問題を整理することも意味しています。
fun and cool 部門の Gernot Ziegler は、彼の主要な作品を Gstreamer に統合しようと作業中です。TexMPEG は、先進的な mpeg デコーダーで、複数の CPU を活用できます。MPEG Z/Alpha は、ストーレジと透過性の情報 (?)についてMPEG2 映像ファイルを拡張したものです。これは、例えばリアルタイムで、映像をテクスチャとして表面に貼り付けるといった実に気の利いたものに使うことができます。下のリンクを辿って、画面ショットを見てみて下さい。Gernot が、新しいプラグインが動いているところを見せています。このプラグインは、まだ cvs の中に入っていませんが、Gernot は、すぐにこれを安定して公開できるようなものにしてくれるでしょう。
http://www.gstreamer.net/releases/0.6.1/
http://www.geofront.se/snap_flag.png
http://www.geofront.se/snap_flag2.png
みなさん長らくお待ちかねの GNOME 用 Bitstrean Vera font ファミリが公式に発表されました。Vera はフリーなライセンスで発表された高品質の TrueType フォントのセットです。各ディストリビューションは、これで、GNOME デスクトップのためにフリーの素晴しいフォントのセットを用意することができることになります。寄付をしてくれた Bitstream と、寄付実現に向けて多大な努力を果した Jim Getty に対し、大きな拍手を送りましょう。
Linux Jounal は、ノートパソコンでの GNOME 2 利用についての素晴しい記事を発表しました。サウンド関連から電源管理に至るまでを網羅した、Tips があります。もし、ノートパソコンと GNOME が一緒に確実に動くようにしたいというのであれば、良い読物になるでしょう。
http://www.linuxjournal.com/article.php?sid=6809&mode=thread&order=0
Ross Burton は、 IBM Developerworks に Python で、GObject を wrap するための方法についての優れた記事を書きました。もし、Python の開発者で、C ライブラリを wrap したいと思っている人には良い助けとなるでしょう。Ross が記事の中で語るように、 Python のためにモジュールを wrap するのに C の導師である必要はないでしょう。
http://www-106.ibm.com/developerworks/linux/library/l-wrap/
Rhythmbox は、およそ一年前に GNOME 界に踊り出て、すぐユーザ達の間で人気を博しました。それから Rhythmbox は、長期にわたる GUI の再設計の期間に入り、結局、開発は中断してしまいました。一方で、net-rhythmbox や Lymric といった他のプロジェクトが、その空白を埋めるために登場してきました。Rhythmbox の開発を再び軌道に載せるために、Mark Finlay は、自分の提案を発表し、おおむね好意的な反応を得ているようです。彼は、事態を再び進行するように引っ張って、分裂したブランチを統合しなおしてくれるかもしれません。彼の提案の全文を下記のリンクで読んでみて下さい。
http://xsu.sourceforge.net/future.html
私たちは、以前の GNOME 週報で、Java の中で GTK+ との統合が計画中であると報じました。さて、Java 1.4.2のベータ版が発表され、その中には、いくつか統合が行われた部分があります。また、私は Sun の Java 部門の Scott Violet にちょっとしたインタビューを行い、いくらか、内部情報を入手しました。
http://www.gnomedesktop.org/article.php?sid=1031&mode=&order=0&thold=1
http://www.gnomedesktop.org/article.php?sid=1034&mode=&order=0&thold=1
http://www.gnome.org/~uraeus/bumblebee.png
それほど昔のことではありませんが、我々は、GNOME のモンゴル語への翻訳が完了した、という偉業について触れました。さて次に、素晴しい進捗を示したチームは、GNOME 2 をヒンディ語に翻訳した indlinux.org チームです。素晴しい画面ショットの数々をご覧ください。そして、なぜ GNOME 2 が非アルファベット圏の世界にとって非常に重要なのか、を見て下さい。
http://www.indlinux.org/hindi/gnome/gnome20.html
http://www.indlinux.org/hindi/gnome/
Abiword 開発チームと Evolution 開発チームは、共に新しい開発者版を発表しました。これは、両方のソフトが GNOME 2 向けの安定版の公開にさらに近づくための大きな一歩となるものです。私は、個人的には、すでに、この2つを使っていますが、どちらもまだクラッシュしていません。この2つのチームには脱帽です!!今や、私たちに必要なのは、2つのプロジェクトのゴールラインを横切るのが誰かを目撃することだけ、のようです。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-April/msg00054.html
http://www.abisource.com/release-notes/1.9.0.html
2つのプロジェクトは、ともにGNOME 2 のアプリケーションの射程の空白を埋めることを目的としています。Coaster は CD-R を焼くアプリケーションです。Criawips はプレゼンテーション用のアプリケーションです。Coaster は、Sean Harshbarger が開発しています。そして、彼は最近、進行状況について、良い知らせを書いた e-mail を送ってきました。Criawips は、Sven Herzberg が開発しています。彼はかつて、Agnubis の開発に取り組んでいました。Criawipsは、Agnubis が中断してしまったところから始めて、Agnubis を不安定にしている設計上の問題を回避しようとしています。もちろん、どちらのプロジェクトも、援助と応援があれば幸せになるでしょう。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-multimedia/2003-April/msg00010.html
https://savannah.nongnu.org/projects/criawips/
Martin Kretzschmar は、長い間ずっと GNOME CVS でハックし続けてきました。そして、今、gpdf をハックしています。これは、xpdf の gnome2 移植版です。私は、もう、おお、としか言えません。ついに、pdf ビューアは、酷い外見ではなくりました。Gpdf は、独立したアプリケーションとしても使えますが、Nautilus から使うこともできます。Nautilus から使うときには、Nautilus との間で、非常に上手くツールバーが統合されています。これを手に入れて、Matin にこの素晴しいアプリケーションに対しての感謝の手紙を送りましょう。画面ショットと公開の発表については以下のリンクにあります。
http://www.gnome.org/~uraeus/gpdf.jpg
http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-April/msg00021.html
Frank Rehberger は、ORBit2 のホームページをあるべき姿にするために、価値のある作業をこなしてきました。そして今や、ナイル川以西、最良の CORBA ORB についての情報の中心地が存在することになりました。もちろん、あなたがナイル川のどちら側に住んでいても問題ありません。これに関連するニュースとして、Michael Meeks が、最近、ORBit2 をスレッドセーフにすべく、精力的にに開発を行っています。これは、今まで長い間、待望されていた機能です。
http://www.gnome.org/projects/ORBit2/
Mitch Kapor や我らが Andy Hertzfeldt のような伝説的な人々が働いている Open Source Application Foundation は、今週、個人情報管理(PIM)ソフト Chandler を公開したと発表しました。Chandler は、wxWindows ツールキットを使用していることから、GNU/Linux と Unix 上では、素晴しいGTK2 GUI として機能します。彼らが HIG ガイドラインにも従ってくれると良いんですが(笑)。どちらにせよ、Mitch は、PIM に技術革新をもたらすことを約束しています。これは、きっと面白くなるでしょう。リリースノートは以下のリンクにあります。
http://www.osafoundation.org/Rel_0.1_Info.htm
Hewlett-Packard は、彼等の占有的 Unix である HP-UX の公式デスクトップ環境を GNOME 2 へ移行する計画を撤回しました。かわりに CDE を使用し続けることになります。私は、HP の人々から、さらに多くの情報を得ようとしました。しかし、まだ、公の発表をしようという人をつかまえることはできていません。しかし、私が受けた説明では、この決定は、HP にとっては、GNOME 界での信頼失墜の前兆である以上に、将来、デスクトップ、ワークステーション、として Linux ベースのシステムと競合するであろう HP-UX の信頼の失墜であるというものです。GNOME 2 は、もちろん、これからも自分自身でコンパイルするという人々や、別の経路からバイナリパッケージを入手するという人々のためにHP-UX 上で走り続けます。
http://h21007.www2.hp.com/dspp/bus/bus_BusDetailPage_IDX/1,1252,4810,00.html
6月にダブリンで開かれる GUADEC にあわせて、GNOME 財団が、プロフェッショナルによる講義を提案しています。例えば、 Tuomas Kuosmanen と Jakub Steinerによる、Gimp の使用に関するもの、Owen Taylor による、GTK+ のプログラミングについて、などです。もし、グラフィックアーティストや、プログラマとして働いているのなら、これらの必須とも言える講義に出席させてもらえるように自分の会社に、頼んでみるべきでしょう。詳しくは、GUADEC のホームページをどうぞ。
http://www.guadec.org/tutorials/
現在、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語があります。全て、以下のリンクからどうぞ
http://www.gynov.org/gnome-summary/gnome_summary.php4
http://cactus.rulez.org/projects/gnome/summary/
http://developer.gnome.or.kr/news/
http://debian-br.cipsga.org.br/resumo-gnome/
http://es.gnome.org/actualidad/
これらのリストを作ってくれた、Paul Warren に感謝します。
活発なモジュール:
| 活発なハッカー:
|
この情報は、http://bugzilla.gnome.org からのものです。ここでは、ほとんどの GNOME モジュールのバグと機能のレポートを受け入れています。もし、バグ潰しに参加したければ、gnome-bugsquad ML に参加して下さい。
現在、open 中のバグ: 9085 (先週: 新規: 572, 解決済み: 410, 差異: +162)
現在 Open 中のバグが多いモジュールから順番に(機能拡張の要望を除く):
モジュール名 | オープン中のバグ | 先週、新しくオープンされたもの | 先週解決したもの | 差異 |
---|---|---|---|---|
nautilus: | 809 | 44 | 24 | +20 |
gtk+: | 608 | 18 | 22 | -4 |
galeon: | 512 | 56 | 40 | +16 |
gnome-panel: | 255 | 52 | 43 | +9 |
gnome-vfs: | 236 | 4 | 16 | -12 |
GIMP: | 188 | 13 | 22 | -9 |
control-center: | 183 | 17 | 4 | +13 |
gnome-applets: | 149 | 14 | 8 | +6 |
GnuCash: | 144 | 16 | 6 | +10 |
sawfish: | 108 | 0 | 0 | 0 |
gnome-terminal: | 107 | 27 | 41 | -14 |
balsa: | 103 | 11 | 1 | +10 |
dia: | 98 | 8 | 8 | 0 |
metacity: | 95 | 6 | 2 | +4 |
libzvt: | 94 | 2 | 0 | +2 |
Gnome Bugzilla のユーザ−バグを解決したり close したりした数が多い人から順番に−
この数週で、もっともっと多くの人々が、新しいGTK+1.2 の世界を後にできるようなところまで来たようです。これもアプリケーションが GTK+2.0版に対応したり、gpdf のような新しいアプリが私たちを Motif の地獄から自由にしてくれたりしたおかげでしょう。
Christian Fredrik Kalager Schaller
gnome-summary@gnome.org
Join the Friends of GNOME! http://www.gnome.org/friends