私たちは、GNOME 開発者のアプリケーションの改良を支援するため、たゆまぬ努力を続けています。その一環として、developer.gnome.org のリファレンス文書部門を更新しました。今現在、GNOME で使用されている重要なライブラリのほとんどについての解説へのリンクと tarball が、ここで見つかります。
http://developer.gnome.org/doc/API/
Abiword 開発者チームは、Abiword 2.0 の完成に邁進する途上で、開発者向けにver.1.1.4 を公表しました。このバージョンでは、ほとんどの機能が完全なものとなっていますが、当然ながら、バグ修正が進行中のものも残っています。まだ、GNOME 2 系統の Abiword を試したことのない人は、是非、使ってみるべきです。今週、さらにもう一つの贈物が、Martin Sevior からもたらされました。彼は、Nautilus mailing-list への投稿で、Abiword が、今や、Nautilus に組み込み可能となったと語っています。開発に携わる全てのハッカーたちに盛大な喝采を送りましょう。
http://www.gnomedesktop.org/article.php?sid=1020&mode=&order=0
http://mail.gnome.org/archives/nautilus-list/2003-March/msg00210.html
http://www.ph.unimelb.edu.au/~msevior/abiword/nautilus-abiword.png
http://www.linuxrising.com/files/abiword114.png
DevChannel.org は、今週、gtkmm2 を使っての GNOME アプリケーションを開発についての記事を掲載しました。記事は、Billy O'Connor が執筆しており、次第に人気を得つつあるこのバインディングについての素晴らしい紹介文となっています。これに関連して、Dr.Dobb's journal の 3月号もまた、" Generalized Callbacks: C++ and C#" というタイトルで libsigc++ についての記事を寄せています。
http://tools.devchannel.org/devtools/03/03/21/1834244.shtml?tid=39
最近、OpenOffice について、面白いことが色々と起きています。 ベルリンで開催された OpenOffice.org 開発者会議 の中で、Ximian社 の Michael Meeks は、Ximian社 の中で行われてきた、OpenOffice.org の GNOME 2 への統合について発表しました。Michael は、彼の発表に使用した資料をネット上に公開しました。その資料には、非常に面白そうな見栄えのアプリケーションの画面ショットが含まれています。また、OpenOffice.org は、1.1 beta版を公表しました。多くの素晴しい改善と機能追加が行われています。
http://www.gnome.org/~michael/XimianOOo/img0.html
http://www.gnomedesktop.org/article.php?sid=1023&mode=&order=0&thold=1
GNOME 2.2 が基礎的な部分に注意を払う中で、開発者たちは、今や、そのまわりを飾りたてる方に力を向けています。例えば、Jason Hildebrand は、gvim を埋め込み可能な bonobo コンポーネントにしてしまうパッチを発表しました。Jason の gnome-vim についてのページと、素晴しい画面ショットの数々を見て下さい。
http://www.opensky.ca/gnome-vim/
http://www.opensky.ca/gnome-vim/vim-bonobo-nautilus.png
Dia、Gimp、Gaim、Sodipodi 等の多くの GNOME アプリケーションが、GTK+ の Windows 移植版を使って、Windows に移植されています。GTK+ は、クロスプラットフォーム開発環境という競技場の中で、真剣にタイトルを狙えるところまで基盤を固め始めたように見えます。もちろん、GTK+ ベースのアプリケーションが Windows 上で統合されているように見える、ということも重要です。GTK-Wimp は、相当なレベルでの環境の統合を提供するテーマエンジンです。もし、たまたま、今よりも劣ったデスクトップ環境、(そう、例えば Windows)を使う羽目になってしまったなら、これで、苦痛が柔らぐかもしれません。
http://www.gnomedesktop.org/article.php?sid=1005&mode=&order=0&thold=1
Biswapesh Chattopadhyay は、 Mikael Hallendal からのいくつかの質問の後に、今週、gnome-devtools ML に Anjuta の開発の最前線の現状について、概況を投稿しました。どうやら、現在、3つの開発系統が並行して進行中ということのようです。GNOME 1 向け Anjuta、GNOME 2 向け Anjuta 、そしてGNOME 2 向け Anjuta 2 です。多分、少し前にAnjuta と gIDE が Anjuta2 で併合されることになった、ということを覚えている人も多いでしょう。しかし、融合は実際には全然、行われていないようです。より詳細については、該当のスレッドを見て確認して下さい。どのみち、GNOME には、優れた IDE が必要です。もし、できるなら、これらの二つの作品を一つにまとめあげるべきでしょう。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-devtools/2003-March/msg00021.html
Jens Finke は、eog (Eye of The GNOME) イメージビューア の改良に全力を注いでいる最中です。大量の修正と機能追加を行ったバージョン 2.3 が最近になって発表されました。追加機能には、Nautilus のための素晴らしい画像コレクション機能が含まれています。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-March/msg00091.html
http://www.gnome.org/~gman/eog.png
gnome CVS の中には、gnome-themes-extras というモジュールがあります。この中には、SVG ベースのメタテーマがいくつか入っています。その中にはJacub 'Jimmac' Steiner の Gorilla メタテーマ、 David Vignoni と 私が作った Nuvola and Lush メタテーマも含まれています。また、 Vadim Plessky と私で作った BlueSphere メタテーマの部品もあります。最終的には、Torsten Rahn の Crystal メタテーマも入るでしょう。このメタテーマのパッケージの最初の公開版は、Ximian Desktop 2 が利用可能になった後に、すぐに発表されるでしょう。しかし、それまで待てない、という方のために、いくつか、テーマが実際に使用されている画面ショットをお見せしましょう。
http://librsvg.sourceforge.net/images/lush-metatheme.png
http://librsvg.sourceforge.net/images/nuvolanautilus.png
http://librsvg.sourceforge.net/images/tigerandgorilla.png
Gstreamer 陣営からは、ちょっとしたニュースが大量に届いています。 Julien Moutte は、Gst-player に対し、Gstreamer visualisation plugin の対応機能の追加という大仕事を続けています。この成果を試すために、私は、Gstreamer のリアルタイムビデオエフェクトプラグインと、visualaization plugin を混在させての使用を始めました。その結果については、下のリンクの一番最初のもので読むことができます。
Ross Burton は、今、Sound Juicer という名前の粋な ripper アプリケーションを開発中です。このソフトは、GNOME CVS の中にあります。最新報告によれば、まともに動作するとのことで、うまく行けば、Ross は近いうちに最初の公開版を作りあげることでしょう。
libsigc++ の開発で知られる Martin Schulze の偉業のおかげで、Gstreamer の C++ バインディングは、現在、簡単なアプリケーションに使えるまでになっています。Martin の発表については、下の3番目のリンクを辿って下さい。
そして最後になってしまいましたが、長らく待望されていた、0.6.1 の公開版についてです。現在、公開準備のためにパッチが 0.6 ブランチに対してあてられている最中とのことです。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-multimedia/2003-March/msg00006.html
http://cvs.gnome.org/bonsai/rview.cgi?cvsroot=/cvs/gnome&dir=sound-juicer
http://sourceforge.net/mailarchive/forum.php?thread_id=1901591&forum_id=5947
Aleksey Sanin が、ここ数週、"活動的なハッカー"として上位にランクされているのを見て、GNOME 開発者が使える、卓越した XML 関連のライブラリ群に目を向ける良い機会だと考えました。まず、もちろん、全てのはじまりとなるライブラリがあります。libxml は、 Daniel Veillard よって開発されたもので、多分、xml を操作する速度と効率において、あらゆる場所で最高のライブラリと言えるでしょう。そして、libxslt も Daniel によるものです。XSLT は、スタイルシートを利用して、XML を任意のテキスト文書の出力に変換できるようにする、宣言型の言語です。
そして、librsvg があります。これは、 Dominic Lachowicz によってメンテナンスされています。このライブラリで、SVG 画像 (ベクトル画像を定義する XML フォーマット) の描画に関する操作が可能となります。
Paolo Casarini も、ずっと、gdome2 の開発とメンテナンスを続けています。これは、w3c の level 2 DOM (Document Object Model) を実装したものです。
最近、仲間に入ってきたのが libcroco です。これは、CSS2 を解析するライブラリで、 Dodji Seketeli と Gael Chamoulaud が開発しています。
最後になってしまいましたが、他に劣らず重要なものとして、 Aleksey Sanin の xmlsec があります。これは、 XML Signature Syntax and Processing と XML Encryption Syntax and Processing の規格を実装したものです。
誰か、書くべきなのに取りこぼしてしまった人がいないと良いんですが(笑)。私見では、GNOME の開発環境は、XML関連の開発者の需要を満たすだけの広さと多様性を見せていると思います。ここまで来るのを助けてくれた多くの参加者たちに最大の感謝を捧げます。
http://savannah.nongnu.org/projects/libcroco
http://www.aleksey.com/xmlsec/
以前の週報で、私は、Java 1.5 で Java/Swing 側が GTK+ の見た目と操作感の取り込みへの対応を達成するだろう、と主張していました。これは実際のところ、誤報ということになってしまうようです。Sun の Scott Violet は、Java 1.4.2 になれば、Java が、GTK+ への対応を達成できるだろう、というメールを私にくれたのです。やった! としか言えません。
Ross Burton は、最近、新しい GNOME Games のメンテナの引き受けてを募る要望を出しました。さて、投稿は、長いこと放っておかれました。しかし、 Callum McKenzie が登場しました。すぐにでも GNOME Games のメンテナの役を引き継ぐでしょう。これまで GNOME games に関する作業を続けてきた Ross と、これからの作業を受けもつ Callum McKenzie に大きな感謝を捧げます。GNOME の中では、gnome-utils や control-center など、新しいメンテナを探しているモジュールは他にもあります。これらの中核となるモジュールのメンテナとなれば、非常にためになる経験となるでしょうし、きっと楽しいことでしょう。もし、GNOME の開発に参加したいと思っているならば、これらのモジュールの中の一つを目標に定めるのは、良い方法だろう、と提案しておきます。また、私は、みなさんに gnome-love ML のことを思い出してもらいたいとも思います。ここでは、多くの熟練したハッカーが、gnome のハックを始めたばかりの新人たちを助けようと待ち構えています。
http://mail.gnome.org/archives/games-list/2003-March/msg00001.html
http://mail.gnome.org/mailman/listinfo/gnome-love
現在、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語があります。全て、以下のリンクからどうぞ
http://www.gynov.org/gnome-summary/gnome_summary.php4
http://cactus.rulez.org/projects/gnome/summary/
http://developer.gnome.or.kr/news/
http://debian-br.cipsga.org.br/resumo-gnome/
http://es.gnome.org/actualidad/
これらのリストを作ってくれた、Paul Warren に感謝します。
活発なモジュール: | 活発なハッカー:
|
この情報は、http://bugzilla.gnome.org からのものです。ここでは、ほとんどの GNOME モジュールのバグと機能のレポートを受け入れています。もし、バグ潰しに参加したければ、gnome-bugsquad ML に参加して下さい。
現在、open 中のバグ: 8705 (先週: 新規: 581, 解決済み: 580, 差異: +80)
現在 Open 中のバグが多いモジュールから順番に(機能拡張の要望を除く):
モジュール名 | オープン中のバグ | 先週、新しくオープンされたもの | 先週解決したもの | 差異 |
---|---|---|---|---|
nautilus: | 766 | 31 | 25 | +6 |
gtk+: | 587 | 21 | 11 | +10 |
galeon: | 477 | 92 | 55 | +37 |
gnome-vfs: | 253 | 3 | 4 | -1 |
gnome-panel: | 236 | 53 | 37 | +16 |
GIMP: | 197 | 25 | 18 | +7 |
control-center: | 164 | 14 | 7 | +7 |
gnome-applets: | 151 | 11 | 7 | +4 |
GnuCash: | 127 | 5 | 5 | 0 |
gnome-terminal: | 110 | 26 | 21 | +5 |
sawfish: | 105 | 1 | 1 | 0 |
libzvt: | 93 | 1 | 0 | +1 |
balsa: | 92 | 14 | 53 | -39 |
medusa: | 92 | 0 | 0 | 0 |
metacity: | 91 | 12 | 5 | +7 |
Gnome Bugzilla のユーザ−バグを解決したり close したりした数が多い人から順番に−
これらのパッケージのもっと詳しい情報については、GNOME Software map: http://www.gnome.org/softwaremap/latest.php を見て下さい。
このところ、すばらしい開発物が多いせいで、記事として一章を割くことができませんが、言及に値するものがあります。最近、Nautilus に施されている、ものすごい量の改良です。最新版では、アイコンがリストビューの中で適切な大きさとならない、という問題が修復されました。これは、ずっと私の悩みのタネだったものです。修正ありがとう!!
Christian Fredrik Kalager Schaller
gnome-summary@gnome.org
Friends of GNOME に参加しよう!http://www.gnome.org/friends