GNOME 2.2 の登場が、約2週間後に迫っています。(訳註:計画では1/29)これに備えて、最初のリリース候補が先週、発表されました。 今週、開発者たちがバグ修正態勢 −まるでブラックホールが光を飲込むように、開発時間を多く食う、発見困難なバグとの戦い− に入ったため、多くのパッケージが更新されました。
http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2003-January/msg00031.html
Dominic Lachowicz は、Abiword の開発者メーリングリストに Abiword 2.0 発表へ向けての計画を投稿しました。計画は、時間面の物とともに、来るべき Abiword の発表時に搭載が期待されている機能についても触れています。盛りこまれるであろう更新には、(当然ながら) Gtk+ 2.0、GNOME2 の使用、表とXFTフォントがありますが、それだけでなく、OpenOffice からのインポート、そしてエクスポート機能といった興味深いもの、Barbarisms のようにあいまいなものもあります。
http://www.abisource.com/mailinglists/abiword-dev/2003/Jan/0249.html
GNOME には、いくつかの真に素晴しいグラフィックソフトが用意されています。しかし、それぞれに強力であるがゆえに、使い方を学習するも困難なものとなっています。幸いなことに、素晴しい手引書を書くことで我々を助けようと望んでいる人々がいます。例えば Nathan Hurst は、Sodipodi での輪郭線の作り方を見せてくれる素晴しい手引書を書いてくれました。別の記事で面白いものは Linux Journalのもので、最近、Gimpを使って red-eye を取り除く方法を紹介する記事を掲載しました。この記事の中では、LJ は、 Martin Guldahl による Gimp スクリプトを紹介しています。このスクリプトは、記事の中で紹介された技を実装しています。
http://hawthorn.csse.monash.edu.au/~njh/programming/drawing-packages/sodipodi/
http://www.linuxjournal.com/article.php?sid=6567&mode=thread&order=0
Dell の会長 Michael Dell は、デスクトップの Linux について、pcAdvisor からインタビューを受けました。その記事の中では下記のように書かれています。"彼(Dell)は、まだ復帰する気がある会社が、今は亡き Eazelであるとほのめかす噂は本当で、これは、その会社が サーバ面、教育、科学関係の市場で Linux をサポートしていることのあらわれだ、と言った。"
この、Eazel が生命を取り戻すというほのめかしは、実現するのでしょうか。もしそうなら、問題は GNOME コミュニティは、それをどう受けとめたら良いか、ということでしょう。Nautilus は、現在、Red Hat の Alex Larsson と Ximian の Dave Camp によって保守されています。そして、私に言わせれば彼らも非常によくやっています。
もうひとつの疑問は、新 Eazel に参加するのは誰か、ということです。Andy Hertzfeldt は、現在、Mitch Kapor と彼の Open Source Applications Foundation に参加しています。Bart Decreem は、Hancom のために働いています。Darin Adler は、Safari プロジェクトのためにアップルと契約し、その計画には、他の元 Eazel 社員も参加しています。
Eazel が実際に帰ってくるのか、pcAdvisor が単に、Dell の発言を引用しまちがえたのか、もし、誰か知っているならば、メールを下さい。そうすれば、私は、この件について、次回の GNOME サマリで、もっと伝えることができるでしょう。
http://www.pcadvisor.co.uk/index.cfm?go=news.view&news=3024
以前も一度、触れたかもしれませんが、改めて触れるに足る素晴しいことだと思います。Handhelds.org は、ある手の平サイズコンピュータ環境の開発のホスティングを行なっています。その環境は、GPE という名前で、GTK+ と GNOME のライブラリを基盤にしたハンドヘルドシステムを作り上げることを目的としています。たくさんの素晴しいアプリケーションがあり、その中には、GStreamerの小さなメディアプレイヤーもあります。
Carlos Perello Marin は、GNOME の翻訳状況の統計が見られる新しい ウェブページを作りました。非常に素晴しい出来栄えで、翻訳の現状について、素早く概略を知ることができるでしょう。パッと見たところでは、スコットランドゲール語の翻訳者はもっと働く必要があるようです。(笑)
http://www.gnome-db.org/~gnome-i18n/
Unix のソフトの地域化は、新人の開発者にとっては、ちょっとややこしい話になります。Christian Rose は、開発者のために L10N (地域化) 案内を書きました。この非常に素晴しい文書は、Unix の地域化の世界と、地域化をもっと簡単にするために GNOME コミュニティが作り上げてきたツール群を紹介してくれます。この文書はまだ完結していませんが、既にすばらしい情報をいくつか載せています。
http://www.menthos.com/l10n/developer/
サンの高名なアクセシビリティ関連のハッカー、Bill Haneman は、今週、java-gnome ML に Java 1.5 と Gtk+ の統合に関する幾つかの情報を流しました。Sourceforge アーカイブの更新が遅いため、筆者は、彼の投稿をまるごとここに掲載することにします。
1.5 がやることは、gtk のデフォルトのエンジンをエミュレートすることです。これには、エンジンのテーマ機能も含まれています。そのため、1.5 の Swig は、現在の Gtk+ のテーマにぴったり合うでしょう。システムフォントのサイズやその他、テーマによって用意されるものは、デフォルトの gtkエンジンとその同等物を使うことになります。
例えば、gnome-themes (GNOME 2.2 リリースの一部となるものです)の中にあるテーマは、全て、1.5 の Swig で快適に動くはずです。(動いた、という報告が来ています)しかし、もし、全く違った gtkエンジンをインストールしたなら、結果は違ってきます。疑わしい gtk+ テーマ が標準的な gtk RC ファイル形式に則っている限りは、possibly things like bevels versus radius if widget borders, etc.のようなケースを除いては、良い結果が出るでしょう。
そのため、1.5 を利用することで、全てのケースがカバーできるものではありませんが、標準となる GNOME-2.2 のテーマを含む広く様々なGNOME/GTK+テーマが動くでしょう。
http://java-gnome.sourceforge.net/
スペインの GNOME サイト Noticias Gnome Hispano の友人たちが、GNOME2版の Evolution の開発中の画面ショットを何枚かアップしてくれました。うまく行けば、Ximian が最初のベータかテスト版の発表の準備ができたと感じる日が来るのも先のことではないでしょう。一緒に掲載されているのは、 Dave Camp からの素晴しい GNOME2 版 Evolution の画面ショットです。
http://perso.wanadoo.es/jorge.criado/shots/evolution_prefs_16012003.png
http://perso.wanadoo.es/jorge.criado/shots/evolution_contactos_16012003.png
http://perso.wanadoo.es/jorge.criado/shots/evolution_mailer_16012003.png
http://perso.wanadoo.es/jorge.criado/shots/evolution_resumen_16012003.png
http://primates.ximian.com/~dave/screenshots/Screenshot-Evolution.png
Irene Ryan は、GNOME for Solaris 版のアクセシビリティガイドの最新版を発表しました。このガイドは、数%の Solaris 限定の情報を含んでいますが、ほとんどが汎用性のあるものです。ガイドは、使用者、システム管理者そして、GNOME 2.0デスクトップが、the U.S. Rehabilitation Act の Section 508 をどのように満たしているのかに興味を持つ人全てに向けて書かれています。マニュアルには、以下の節があります。「GNOME デスクトップのアクセシビリティについての紹介」、「マウス、キーボードをもっと多くのユーザに使い易いようにするためには、どんな設定が必要か?」「キーボードだけでデスクトップを操作するにはどうしたら良いのか?」「視力の弱いの人々の扱い易さを向上させるためにデスクトップの見た目を変更するにはどうしたら良いか」以下のリンクで、 Irene からの素晴しい文書が読めます。
GNOME 委員会が、今年、力を入れているのが募金活動です。これは、自身のイベントにもっと金をかけ、ハッカーの旅や必要としている人々のハードウェア購入を支援するためのものです。過去に、私たちは、幸運にも資金があり、気前の良いスポンサーがいました。しかし、今年、企業は非常に財布の紐が堅く、我々は、もっともっと個人的な貢献者に頼らなくてはなりません。
われわれは、Friends of GNOME 機構を設置し(www.gnome.org/friends)、個人が GNOME財団へ寄付できるようにしました。これまでは、これは大成功でした。われわれは、最近の slashdot での呼び掛けで約5,000USドル(GUADEC の費用の20%です)を集めました。しかし、寄付はどんなものでも重要です。例えば 5ドルでさえも、さらに一人のハッカーをGUADECに送り込むことができる、という違いをもたらすのです。
私は、friends of GNOME に真剣に注意を払い寄付をする全ての人々を応援します。(寄付すれば、いくらかの素晴しい GNOME グッズを手にすることさえできます) チーム作り、調整と動機付けと、我々のボランティアのハッカーたち、多くの学生のスポンサーとなること、彼らをGNOME の未来の成功の中心に来るようにする、といった観点から、GUADEC は、GNOME コミュニティの本質を成すものです。この点に照らして、ここと、このサマリの一番底に 私が friends of GNOME への小さなリンクを張っていることを大目に見てくれれば、と思います。これは、人々ができるときに何かちょっとしたものを与える、ということを思い出してもらうきっかけとなるためのものです。
Red Hat は、彼らのBluecurve テーマを更新しました。最新版では、新しい stock item のテーマを含んでいます。もし、以下のリンクの画面ショットを見たなら、ツールバーの中のアイコンが違っていることに気付くでしょう。
http://www.gnome.org/~kenneth/ny-redhat-stil.png
http://www.gnome.org/~kenneth/NewBluecurveStyle.png
Miguel de Icaza は、monodoc という名の Mono を使って作った新しいドキュメントブラウザが出ている画面ショットを送ってきました。つまり、今や、C# ハッカーもまた、自分の文書を読むことができるわけです:)。 Martin Baulig も、新しいバージョンの Mono のデバッガを発表しました。つまり Mono アプリでは、バグについての言い訳はできません。画面ショットは以下。
http://www.gnome.org/~kenneth/monodoc.png
http://lists.ximian.com/archives/public/mono-docs-list/2003-January/000301.html
http://www.gnome.org/~kenneth/Mono-Debugger.png
私たちは、長い間メタテーマの仕組が機能するのを、待ち続けてきました。そしてその時は来たようです。Seth Nickell は、テーマをひとそろい一緒に発表しました。そして、Jonathan Blandford は、素晴しいメタテーマ選択メニューを作りあげました。メタテーマは、最もよく使われるテーマ選択手段となるものですが、ウィンドウマネージャとGTK+テーマをそれぞれ独自に選択し、簡単に自分自身の組合せを作りあげることも可能なままでしょう。新しいテーマ選択メニューの画面ショットは以下のリンクから。
http://www.gnome.org/~seth/themes.png
以前のサマリでNautilus からCDを焼く仕組について触れました。しかし、画面ショットは一つもありませんでした。さあ、おまたせしました。Johannesのおかげで、今週は素晴しい画面ショット2枚あります。
http://www.sport-huettn.de/gnome/burn1.png
http://www.sport-huettn.de/gnome/burn2.png
以前のサマリで、Gtk+2.0 を使用した IBM 製のIDE 、Eclipseについて触れました。さあ、今やそれは100%フリーのアプリケーションであり、GNU Java Compiler gcj でコンパイルできます。機能の説明と何枚かの素晴しい画面ショットについては以下のリンクを。
http://www.klomp.org/mark/gij_eclipse/
現在、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語があります。全て、以下のリンクからどうぞ
http://www.gynov.org/gnome-summary/gnome_summary.php4
http://www.gnome-de.org/projekte/listen/#news@gnome-de.org
http://cactus.rulez.org/projects/gnome/summary/
http://developer.gnome.or.kr/news/
http://debian-br.cipsga.org.br/resumo-gnome/
http://es.gnome.org/actualidad/
これらのリストを作ってくれた、Paul Warren に感謝します。
活発なモジュール | 活発なハッカー
|
この情報は、http://bugzilla.gnome.org からのものです。ここでは、ほとんどの GNOME モジュールのバグと機能のレポートを受け入れています。もし、バグ潰しに参加したければ、gnome-bugsquad ML に参加して下さい。
現在、open 中のバグ: 7779 (先週: 新規: 757, 解決済み: 598, 差異: +159)
現在 Open 中のバグが多いモジュールから順番に(機能拡張の要望を除く):
モジュール名 | Open 中のバグ | 先週、新しく open されたもの | 先週、解決したもの | 差異 |
---|---|---|---|---|
nautilus: | 728 | 86 | 71 | +15 |
gtk+: | 518 | 25 | 22 | +3 |
galeon: | 423 | 76 | 51 | +25 |
gnome-vfs: | 258 | 10 | 6 | +4 |
GIMP: | 232 | 11 | 17 | -6 |
gnome-applets: | 207 | 36 | 11 | +25 |
gnome-panel: | 152 | 64 | 56 | +8 |
control-center: | 116 | 17 | 22 | -5 |
gnome-core: | 107 | 9 | 9 | 0 |
sawfish: | 104 | 14 | 2 | +12 |
metacity: | 98 | 17 | 9 | +8 |
libzvt: | 93 | 1 | 0 | +1 |
medusa: | 92 | 0 | 0 | 0 |
balsa: | 82 | 7 | 14 | -7 |
gnome-terminal: | 75 | 21 | 16 | +5 |
Gnome Bugzilla のユーザ−バグを解決したり close したりした数が多い人から順番に−
これらのパッケージのもっと詳しい情報については、GNOME Software map: http://www.gnome.org/softwaremap/latest.php を見て下さい。
今週のサマリを手伝ってくれた Kenneth Christiansen に特に感謝します。このサマリは、「もうひとつの隔週サマリ」です。だから、もし、これが続くようなら、統計を2週間ごとの統計に差し替えるよう頼まなくてはなりません。(笑)
Christian Fredrik Kalager Schaller
gnome-summary@gnome.org
Friends of GNOME に参加しよう! http://www.gnome.org/friends