GNOMEの開発にはCVSが使われています。マスターCVSサーバへのアクセス権を持っていない人でも、開発状況をanonymous CVSサーバから確認することができます。anonymous CVSサーバは世界各地に存在していますが、国内では anoncvs.gnome.gr.jp がミラーを行っており、ウェブからも参照できるようになっています。
次の手順でanonymous CVSサーバへアクセスすることができます。
アクセスしたいCVSサーバを指定します。指定方法としては環境変数CVSROOT
に設定するか、cvsコマンドの直後に-d
オプションを指定するかの2通りがあります。環境変数に指定する場合、bashなどのBourne Shell系では
$ CVSROOT=:pserver:anonymous@anoncvs.gnome.gr.jp:/cvs/gnome $ export CVSROOT
を実行します。tcshなどのcsh系では
$ setenv CVSROOT :pserver:anonymous@anoncvs.gnome.gr.jp:/cvs/gnome
を実行します。
CVSからソースを得るには初めにCVSサーバにloginする必要があります。
$ cvs login (Logging in to anonymous@anoncvs.gnome.gr.jp) CVS password:
GNOMEのCVSではanonymousのパスワードは空なので、ただ単にリターンキーを押します。
必要なモジュールのソースを取り出します。
$ cvs -qz3 co gtk+
GNOMEのプログラムはFTPなどから入手できるリリース版にはconfigure
スクリプトが含まれており、このconfigure
スクリプトを実行することでMakefile
を生成し、コンパイルをします。しかしCVSから取り寄せたものにはconfigure
やMakefile.in
は存在していません。あらかじめautomake
やautoconf
などを実行して必要なファイルを生成する必要があります。
この作業を自動化するため、多くのディレクトリにはautogen.sh
というシェルスクリプトが用意されており、これを使用してconfigure
に必要なファイルを生成することができます。
$ cd gtk+ $ ./autogen.sh
後は普通にtar.gzのパッケージを展開した場合と同じように構築できます。
一度CVSから取り寄せた後、2回目以降は
$ cd gtk+ $ cvs -qz3 update -Pd
のようにしてCVSから最新のファイルを取り寄せることができます。